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2009年1月28日福岡地裁:園児熱射病死(判決)

<園児熱射病死>元職員2人に有罪判決 福岡地裁支部

2009年1月27日12時3分配信 毎日新聞

 北九州市小倉北区の中井保育園(認可外)で07年7月、送迎車に置き去りにされた園児が熱射病死した事件で、業務上過失致死罪に問われた元職員の上田麻貴(27)、小林英美(29)の両被告に対し、福岡地裁小倉支部は27日、それぞれ禁固1年、執行猶予3年(求刑・禁固1年)を言い渡した。三浦隆昭裁判官は「基本的な注意義務に反していた」と述べる一方、不起訴処分になった北村寿和元園長(32)について「道義的責任は大きい」と指摘した。

 判決などによると、両被告は07年7月27日午後1時過ぎに遠足から送迎車で園に戻ってから園児の人数確認を怠るなどして、浜崎暖人(はると)ちゃん(当時2歳)を約4時間車内に放置し、熱射病死させた。

 判決は、同園に安全管理マニュアルがなく、定期点呼もしていなかったことを指摘。そのうえで「組織として園児を守る体制はまったく整っておらず、本件は遅かれ早かれ起きた。両被告に責任を集約して重く処罰するには違和感が残る」と、保育園のずさんな体制を批判した。両被告は控訴しない方針。

 事件では、08年2月に両被告と別の元職員2人、北村元園長の計5人が業務上過失致死容疑で福岡地検小倉支部に書類送検された。同支部は同7月に上田被告と小林被告を起訴、元職員2人を略式起訴したが、北村元園長については不起訴処分とした。園は07年10月に閉鎖された。

 暖人ちゃんの両親は北村元園長と元職員、園を指導・監督する立場の北九州市などに約5842万円の損害賠償を求めて同支部に提訴している。【佐野優】

 ▽暖人ちゃんの父健太郎さんと母美香さんの話 どんなに重い罰が与えられても暖人が戻ってくることはなく、判決を受け止めるしかない。すべての保育園が、働く親が安心して子どもを預けることができる施設になるよう体制を作ってほしい。

 ▽北村元園長の話 判決で保育園の管理運営についても厳しい指摘を受けたと聞き、重大さを痛感している。暖人君や遺族に対し、今後ともできる限りの対応をしなければならないと考えている。

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